R2/4/10【時事情報】厚生労働省が雇用調整助成金の特例措置の追加実施と申請書類の大幅な簡素化を発表しました。
1.今回発表の概要
令和2年4月10日厚生労働省は、雇用調整助成金の特例措置の追加実施と申請書類の大幅な簡素化を発表しました。
雇用調整助成金は、新型コロナウイルス感染症対策として令和2年2月14日、同月28日及び3月10日に特例措置が設けられていますが、今般、令和2年4月1日から同年6月30日までの間を緊急対応期間として、上乗せの特例措置が講じられると共に申請書類も大幅に簡素化され、雇用調整助成金の利用促進が図られます。また、従来、申請から支給まで2カ月かかっていた支給事務についても迅速化され、1カ月に短縮が図られる見通しです。
2.上乗せされた特例措置の内容
緊急対応期間(令和2年4月1日~同年6月30日)における特例措置は、今回の上乗せの特例措置が講じられる結果、次のとおりとなります。
(1)休業又は教育訓練を実施した場合の助成率の大幅引き上げ
上記期間内において、休業又は教育訓練を実施した場合の助成率が、中小企業については2/3から4/5へ、大企業については1/2から2/3へ引き上げられます。
さらに、事業主が解雇等を行わず雇用を維持した場合、当該助成率が、中小企業については4/5から9/10へ、大企業については2/3から3/4へ引き上げられます。
(2)教育訓練の加算額の大幅引き上げ
上記期間内において、教育訓練が必要な被保険者の方に対して教育訓練を実施した場合の加算額(対象被保険者1人1日当たり)が、中小企業については1,200円から2,400円へ、大企業については1,200円から1,800円に引き上げられます。
(3)教育訓練の範囲の大幅拡大
上記期間内において、自宅でのインターネット等を用いた教育訓練もできるようするなど教育訓練の範囲が拡大されると共に、教育訓練の受講日に教育訓練を受けた労働者を業務に就かせても良いこととされます。
(4)生産指標の要件の緩和
生産指標の確認は計画届の提出があった月の前月と対前年同月比で10%の減少が必要であったのが、上記期間内においては、5%の減少とされます。
(5)支給限度日数にかかわらず活用可能に
上記期間内に実施した休業は、1年間に100日の支給限度日数とは別枠で利用できることとされます。
(6)雇用保険の被保険者でない労働者も対象に
上記期間内において、雇用保険の被保険者ではない労働者も休業の対象に含められます。具体的には、週20時間未満の労働者(パート・アルバイト(学生も含む)等)などが対象に含められることとなります。
(7)計画届の事後提出が可能な期間の延長
既に休業を実施し、休業手当を支給している場合でも、令和2年5月31日までは、事後に計画届を提出することが可能となっていましたが、この期間が同年6月30日までに延長されます。
(8)短時間休業が大幅に活用容易に
従来、事業所等の労働者が一斉に休業する必要があった短時間休業について、事業所内の部門、店舗等施設ごとの休業も対象とされるようになるなど、活用しやすくなります。
(9)休業規模の要件の緩和
対象労働者の、所定労働日数に対する休業等の延日数の割合(休業規模要件)について、中小企業は1/20以上、大企業は1/15以上とされていましたが、これが中小企業は1/40以上、大企業は1/30以上に緩和されます。
(10)残業相殺制度を当面停止
支給対象となる休業等から時間外労働等の時間を相殺して支給すること(残業相殺)が当面停止されます。
3.申請書類の大幅な簡素化について
新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置に関する申請書類等が、大幅に簡素化され、事業主の申請手続きの負担の軽減が図られると共に、支給事務の迅速化を図られます。
具体的には、
①記載事項の半減(自動計算機能付き様式の導入や残業相殺の停止等)
②記載事項の簡略化(休業等の実績を日ごとではなく合計日数のみで可とする)
③添付書類の削減
などが行なわれます。
また、出勤簿や給与台帳でなくても、手書きのシフト表や、給与明細のコピー等でも良いとするなど、事業所にある既存の書類を活用して、添付書類を提出することができるように図られます。
4.厚生労働省発表資料
今回発表された資料
4/10特例措置と申請書類簡素化についての資料になっています。
資料1「新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大」
資料2「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を拡充します」
※資料1~3は厚生労働省ホームページURLhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10782.htmlより引用
支給要件から申請手続まで、よくある質問と回答がまとめられた資料
資料4「雇用調整助成金FAQ」
※資料4は厚生労働省ホームページURLhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.htmlより引用
寺嶌社会保険労務士事務所より・・・
今般、申請書類が大幅に簡略化され申請しやすくなりました。従業員の雇用の維持、事業の運営のために、雇用調整助成金のご活用をご検討下さい。書類作成等の申請事務にお困りの場合は当事務所でも相談を受け付けております。無料相談も実施していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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